ジブロモアントラセンの結晶構造とNMR緩和現象の関係

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タイトル別名
  • Relationship between the Crystal Structure and NMR Relaxation of Dibromoanthracenes

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説明

<p>アントラセンは硬くて脆い剛直な単結晶を構築する一方,ジハロゲンアントラセンの中には屈曲性を示す単結晶を形成する分子が存在する.例えば,9,10-ジブロモアントラセン(DBAn)と1,8-DBAnは針状結晶を形成し,2,6-DBAnは平板状結晶を形成したが,9,10-DBAn針状結晶のみが屈曲性を示した.2,6-DBAnは “edge-to-face packing” 構造,9,10-DBAnと1,8-DBAnは “face-to-face packing” 構造の分子配列となるが,屈曲性を示す9,10-DBAn針状結晶のみは “face-to-face slip-stacking” パッキング構造であった.固体13C NMR法から観測した13C核のスピン─格子緩和時間(T1C)の温度依存性から,9,10-DBAnの運動は,針状結晶に成長すると粉末の微結晶よりも速くなっていることが示された.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 71 (12), 687-692, 2022-12-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (12)*注記

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