ベートーヴェンにおける前奏付きのピアノソナタの比較研究~選帝侯ソナタWoO47-2と作品13,作品111の共通性~

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タイトル別名
  • Vergleichsstudie über Beethovens Klaviersonaten mit Vorspiel~ Gemeinsame Punkte zwischen der „Kurfürstensonate“ WoO47-2 und Op.13, Op.111~
  • ベートーヴェン ニ オケル ゼンソウ ツキ ノ ピアノソナタ ノ ヒカク ケンキュウ : センテイコウ ソナタ WoO47-2 ト サクヒン 13,サクヒン 111 ノ キョウツウセイ

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抄録

ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770~1827)のピアノソナタは,作品番号がついたものが32曲あり,その他にボン時代の若きベートーヴェンがケルン選帝侯に献呈した,いわゆる「選帝侯ソナタ」が3曲ある。作品番号がついた作品,作品13ハ短調と最後のソナタ作品 111ハ短調には大規模な前奏部分があるため,先行研究でもこの2つの作品は,調性の一致や和声的な類似性が指摘されている。しかし,「選帝侯ソナタ」第2番ヘ短調にも前奏がついていることに注目する研究はほとんどなく,この初期のソナタとの関連研究は多くない。このことに着目し,本論文では,ピアノソナタ作品13ハ短調,作品111ハ短調の第一楽章の音楽的イデーは,ボン時代の12歳のベートーヴェンがすでに着想していたのではないか,と仮説を立て,楽曲を詳しく検証しその根拠を述べようとするものである。ベートーヴェンの少年期の作品が,最後のピアノソナタにたどり着いた経緯を「前奏曲付きのソナタ」という観点から見直すものである。

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