千葉県における小児新型コロナウイルス感染症入院例に関する検討

  • 星野 直
    千葉県こども病院感染症科 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 石原 唯史
    順天堂大学医学部附属浦安病院救急診療科・こども救急センター 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 岡田 広
    松戸市立総合医療センター小児科 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 松永 綾子
    聖マリアンナ医科大学小児科 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 粒良 昌弘
    千葉県こども病院集中治療科 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 田邉 良
    千葉県千葉リハビリテーションセンター小児神経科 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 木村 翔
    東京女子医科大学八千代医療センター小児科 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 石和田 稔彦
    千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野 千葉県小児災害対策ネットワーク
  • 中島 弘道
    千葉県こども病院 千葉県小児災害対策ネットワーク

書誌事項

タイトル別名
  • Pediatric Inpatients with Coronavirus Disease 2019 in Chiba Prefecture

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抄録

<p>千葉県小児災害対策ネットワーク参加施設(38医療機関,県内の全2次医療圏をカバー)を対象に,千葉県の小児新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)入院例について後方視的に検討した.流行第1波~第5波(2020年3月~2021年12月)は観察研究で集計した155例(年齢中央値6歳10カ月)を,第6波(2022年1月~5月)はメーリングリストで集計した354例(同3歳)を対象とした.ピーク月の比較で,第6波は第5波までの5倍の入院数を認めた.第5波までは軽症例(発熱のみ,上気道炎,無症状)が9割を占めたが,重症肺炎が1例見られた.一方,第6波では,痙攣(19.5%),クループ症状(4.5%)での入院例が増加した.痙攣のうち重積が42%,群発が30.4%を占め,3例が脳炎・脳症と診断された.また,この3例を含む13例(3.7%)が集中治療室管理またはそれに準ずる治療を要した.第6波での新型コロナワクチン2回接種完了者は,5~11歳で2.6%,12歳以上で40%と低率であった.このように,第6波の主体であったオミクロン株流行期には,小児COVID-19患者の症状に変化が見られた.また,入院例での新型コロナワクチン接種率は低く,重症化予防の観点から,小児へのワクチン接種の積極的推奨の重要性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 97 (1), 18-25, 2023-01-20

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (14)*注記

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