小児急性精巣上体炎の臨床的検討

  • 井之口 舜亮
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 松井 太
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 松山 聡子
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 近藤 楓基
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 末永 信太
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 矢澤 浩治
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 松本 富美
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL AND IMAGING FINDINGS OF ACUTE EPIDIDYMITIS IN CHILDREN

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抄録

<p> (目的) 本研究の目的は,当センターで経験した小児急性精巣上体炎の臨床像を調査し,小児急性精巣上体炎の病因と治療を検討することである.</p><p> (対象と方法) 2017年1月から2021年1月に当センターを受診した小児急性陰囊症84例中,急性精巣上体炎と診断した47例の臨床的特徴を後方視的に検討した.腎尿路の基礎疾患検索目的に,全例に腎尿路超音波検査を施行した.</p><p> (結果) 平均発症年齢は9歳であり,7~12歳が60%を占めていた.泌尿生殖器異常は13例(28%)に合併した.主な異常は尿道下裂術後8例,膀胱機能障害3例であった.急性精巣上体炎発症を契機として,新たに腎尿路異常を認めた症例はなかった.尿検査を施行した27例中9例(33%)に膿尿を認めた.泌尿生殖器異常あり群9例中膿尿を8例に認めた.一方,泌尿生殖器異常なし群18例中1例にのみ膿尿を認めた(p<0.0001).</p><p> (結語) 小児急性精巣上体炎は急性陰囊症の約半数を占めており,急性陰囊症診療において遭遇する頻度が高い疾患である.小児急性精巣上体炎の約30%に膿尿を認め,泌尿生殖器異常の既往を約30%に認めた.泌尿生殖器異常の既往は,膿尿と関連していた.泌尿生殖器異常の既往のない小児急性精巣上体炎において腎尿路異常を合併する頻度が低いことから,腎尿路超音波検査のルーチンでの施行には疑問がある.</p>

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参考文献 (19)*注記

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