歯科診療所通院患者における「口腔機能低下症」と「食」についての実態調査

DOI
  • 廣岡 咲
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科人間栄養学専攻臨床栄養学研究室
  • 井尻 吉信
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科人間栄養学専攻臨床栄養学研究室
  • 奥田 宗義
    大阪府(奥田歯科診療所)
  • 小野 一行
    大阪府(医療法人栄知会小野歯科医院)

書誌事項

タイトル別名
  • A Survey of Oral Hypofunction and Food Intake of Patients Visiting a Dental Outpatient Clinic

この論文をさがす

抄録

<p> 目的:歯科診療所通院患者における口腔機能低下症の実態(有病率,エネルギー・栄養素摂取量,生活・健康状態)を明らかにすることを目的とした。</p><p> 方法:歯科診療所に通院している65歳以上の患者128名(男性45名,女性83名)を対象とした。調査項目は,口腔機能低下症の診断項目7種(口腔衛生状態,口腔湿潤度,咬合力,舌口唇運動機能,舌圧,咀嚼機能,嚥下機能),簡易型自記式食事歴法質問票(以下BDHQ)を用いた栄養食事調査,基本チェックリスト(以下KCL)を用いた生活や心身の健康状態に関する調査である。</p><p> 結果:128名の患者のうち,口腔機能低下症に該当する者(該当群)は73名(57%),該当しない者(非該当群)は55名(43%)であった。栄養食事調査の結果,1,000 kcal当たりの調味料・香辛料類は,非該当群に比べ該当群で有意に高値を示した(p=0.042)。また,口腔機能低下症とKCLとの関連を検討した結果,非該当群に比べ該当群では,No.17「昨年と比べて外出の回数が減っている」という質問に対し「はい」と回答した者の割合が有意に高かった(p=0.046)。今回の研究結果より,歯科診療所通院患者において,「口腔機能低下症」「食」「外出頻度」の3つが相互に関係していることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 老年歯科医学

    老年歯科医学 37 (3), 255-263, 2022-12-31

    一般社団法人 日本老年歯科医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ