軟骨伝導補聴器の適応疾患と適応聴力

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  • ナンコツ デンドウ ホチョウキ ノ テキオウ シッカン ト テキオウ チョウリョク

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抄録

<p> 軟骨伝導補聴器は2017年に発売された新しい補聴器である. 既存の気導や骨導補聴器とは異なる特徴を有し, 外耳道閉鎖症など気導補聴器で効果が得にくい症例を中心にフィッティングが行われることが多い. しかし新しい補聴器であるため, どのような疾患が適応になるのか, どの程度の難聴まで十分な効果が得られるのかについて不明な部分が多く, 適応の判断に苦慮することもある. 本稿では過去の文献などを基にその適応について検討した. その結果, 外耳道閉鎖症以外に, 耳漏症例など気導補聴器の装用が難しい症例についても良い適応になると考えられた. 一方感音難聴など, 気導補聴器の装用可能な例では慎重に適応を判断する必要があると考えられた. 特に振動子単体タイプの補聴器を用いた場合は良い結果が得られない可能性が高いので注意が必要である. 対応できる聴力範囲は疾患を問わず気導聴力で 50~70dB 以内, 骨導聴力で 30~40dB 以内であれば装用効果が得られると考えられた. さらに非骨性の外耳道閉鎖症では中低音域での装用効果が高く, 骨導聴力で 40~60dB 以内が適応範囲に入ると考えられた. なお今回の適応聴力範囲はあくまで推定値でありさまざまな誤差が含まれる. また現行器種の結果であり, 新しい器種が発売された場合変化する可能性がある.</p>

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