オンラインパルプカラーダート計開発と実用化

  • 藤山 道博
    日本製紙ユニテック株式会社 制御システム事業部

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Online Pulp Color Dirt Observation Equipment

抄録

パルプ製造工程の夾雑物管理において,オンラインダートカウンタとして普及していたオムロン株式会社(以下オムロン)が同製品から事業撤退したため,同社の代理店業務をしている当社は,後継機としてオンラインパルプダート計を独自に開発した。開発コンセプトとしてオムロン製の既存基本機能を踏襲しながら,保守性向上と導入コスト低減を目標とし,種々改良を加えながら製品化した。<br>一方,パルプ原料はリサイクル気運の高まりや環境対応によりDIPの使用比率が増加し,紙パルプ業界としても古紙利用率向上を目指している。DIPは原料古紙由来により,UVインク等の難離解性のインク粕や色チリが多く含まれる。特に古紙需要増加に伴い,低品質な古紙原料では一層の品質管理が必要となる背景から,当社は,日本製紙岩沼工場と共同でオンラインダート計のカラー化に取り組み,パルプ原料中のカラー夾雑物の傾向をリアルタイムで「見える化」するシステムを開発した。ハードウェアは,モノクロ版オンラインダート計で開発したフォトウィンドウ,オールインワンBOXをベースに,カラーカメラを採用し,適応したLED照明装置の選定と併せて,原料中のカラーダートを適切に撮像する光学条件を整えた。ソフトウェアは,汎用の画像処理技術を活用してDIPにおける色チリを色区分や形状,サイズ区分により弁別計数し,夾雑物発生傾向を監視すると共に特徴点画像を常時監視できるものとした。より高度化が要求されるDIP工程の品質管理に有効に活用できるシステムとして実用化を図った。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 77 (1), 41-46, 2023

    紙パルプ技術協会

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