南多摩地域から世田谷区の都市公園に生息するホンドタヌキの食性と人工景観の関係

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書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between artificial landscape and food habits of raccoon dogs in south Tama district to Setagaya city, Tokyo metropolitan

抄録

<p>タヌキNyctereutes procyonoidesは生息環境に応じて食性を柔軟に変えると考えられているが,その変化について,生息地内外における景観要素の構成との関係という観点から広域的に検討した例はほとんどみられない.そこで本研究は,周辺の人工景観の面積や割合に傾度がある東京都の7つの都市公園において約1年間にわたり採集したタヌキの糞分析を行い,人工景観と食性の関係およびその季節変動を検討した.その結果,公園内外の人工景観,特に公園外の人工景観が増加するほどタヌキは餌として人工物を利用する傾向が見いだされた.同時に,公園外の人工景観が多い都市公園では,季節に関わらず人工物を安定的に利用する傾向も確認された.これらの結果から,タヌキは生息地となる公園内外の人工景観で人工的な餌資源を調達しており,その利用状況は人工景観の傾度によって変化すると考えられた.都市化が進むことで,タヌキが利用する主要な餌資源は今後ますます変化していく可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 63 (1), 69-85, 2023

    日本哺乳類学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390295049398111360
  • DOI
    10.11238/mammalianscience.63.69
  • ISSN
    1881526X
    0385437X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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