火の考古学

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • The archaeology of fire
  • ヒ ノ コウコガク

この論文をさがす

抄録

火に関する考古学研究はそれほど多くない。火に直接関係する考古資料は、炭や灰、焼土などの痕跡的なものであることが一因である。火は道具ではない。火は自然現象であり、人類にとって操り・利用する対象なのである。そこで、火に関する道具を次の3つに整理して、それらが人類史としての物質文化環境史のなかで、いかなる意味をもっているかを考察する。 第1の火の道具は発火具である。第2の火の道具はトーチ(松明)である。炉などの火を 燃やし続ける装置が第3の火の道具である。以上の観点から、人類史のパースペクティブの中で火と人類に関する考古学的な問題点を整理する。未だ問題提起の段階であるが、人類は後氷期以降、本格的な定住生活を地球上の各地で展開するなかで、人類史上経験したことのないほどに地球表面を燃えやすい状態に変化させてしまったのではないだろうか(地球表面の「家畜化」)。その反面、人類は‘野生の火'を制御できるまでの技術を未だ獲得していないのである。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ