臨床倫理における4分割法の活用と課題

DOI HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • The Use and Issues of the Four Quadrant Approach in Clinical Ethics

抄録

医療倫理の分野において,ビーチャムとチルドレスの四原則主義に対して,ジョンセンが臨床倫理として,倫理的問題に関する検討方法を提示した。日本では,ジョンセンの臨床倫理の検討方法が,四分割の症例検討シートとなって広く知られている。現在日本において,四分割表は臨床の倫理問題を検討するうえで,様々な医療職種の間で共通のフォーマットとして活用されている。しかしながら,世界に目を向ければ,日本に広く流布している四分割表が必ずしも一般的なわけではない。昨今医療の場で,個々のケースにおいて,対話を通して倫理的問題にかかわる人々の中で,合意を形成していくプロセスが必要不可欠となっている。このプロセスにおいて,四分割表は非常に有用であると筆者は考えている。しかし,活用しやすく,汎用性が高いものであるからこそ,四分割表の空欄を埋めることで,倫理的問題の解決策が見出させるという誤認や使用方法の誤用も数多くあるのではないかと考える。本稿では,ジョンセンの臨床倫理の検討方法と四分割表について概要を述べたうえで,四分割表の活用と,活用における問題点を考察し,さらに,四分割表を活用するうえで筆者が必要と考える,医療に求められる感受性について考察する。

収録刊行物

  • 研究論集

    研究論集 22 101-120, 2023-01-31

    北海道大学大学院文学院

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390295104416161792
  • DOI
    10.14943/rjgshhs.22.l101
  • HANDLE
    2115/87863
  • ISSN
    24352799
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ