道の考古学

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タイトル別名
  • The archaeology of road
  • ミチ ノ コウコガク

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説明

本稿は人類にとっての道とはいかなる存在かを、人類史の観点から考察した論考である。最初に、ラエトリ (タンザニア)で発見された 360万年前の足跡化石を取り上げ、それが道であるか否かを問う。次に、古代国家の維持のために登場した七道駅路を取り上げ、その成立から現代の高速道路にいたるまでの道に関する問題群を考察する。さらに、七道駅路が成立する以前の道に関する問題群を整理して、道が人類の定住生活の開始と密接にかかわりあいながら成立したことを論じる。人類史における道の展開過程を、以下のように成立に至るまでの前史3段階、成立以降の3段階として提示する。 前史第1段階:個体移動 前史第2段階:陸上進出 前史第3段階:踏み分け道 「道」の人類史第1段階:人類は定住生活を開始することによって「道」を成立させる。 「道」の人類史第2段階:通行の便(歩き易さ)と安全性とを確保するために、意図的に「道」の一部を、集団の共同作業で整備・補修する(道普請)。 「道」の人類史第3段階:国家的な統一機構としての「道」の出現。 最後に、人類は「道」を発明(発見)したことによって、道に関連する言葉を多く使用するようになるが、それは単に道の比喩的な表現にとどまらず、そのような表現をすることによって、新たな思考の領域を生みだしている可能性を指摘する。

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