睡眠時ブラキシズムを有する顎関節症患者へ用いたオーラルアプライアンスの効果に関するランダム化比較試験

DOI
  • 大木 郷資
    九州大学大学院歯学研究院歯科医学教育学分野
  • 大穂 耕平
    九州大学大学院歯学研究院歯科医学教育学分野
  • 築山 能大
    九州大学大学院歯学研究院歯科医学教育学分野
  • 熱田 生
    九州大学大学院歯学研究院歯科医学教育学分野
  • 金子 めぐみ
    九州大学大学院歯学研究院歯科医学教育学分野
  • 鮎川 保則
    九州大学大学院歯学研究院歯科医学教育学分野
  • 古谷野 潔
    九州大学大学院歯学研究院歯科医学教育学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of oral appliances on sleep bruxism and temporomandibular disorders: A randomized controlled trial

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説明

<p>オーラルアプライアンス(OA)は,顎関節症(TMD)および睡眠時ブラキシズム(SB)の治療に広く用いられているが,そのエビデンスは不十分である。そこで本研究では,ランダム化比較試験によりOAの治療効果を調査し,TMDとSBの相互関係を調べることを目的とした。九州大学病院を受診したTMD患者のうち,咀嚼筋痛およびSBを有する者16名を対象として,OA装着群と非装着群(各8名)に無作為割付を行った。各群において6週間にわたり咀嚼筋痛の程度,口腔関連QoL(Oral Health Impact Profile-49,OHIP-49),SB(携帯型筋電図)の記録を行い,比較検討した。また,治療効果に関連する因子とそれらの関与程度を調査するため,心理学的因子とダイアリーの記録を行った。咀嚼筋痛に関して,VASによる痛みの主観的評価では群間に有意差は認められなかったが,筋圧痛スコアおよびOHIP-49スコアにおいてはOA装着群のほうが有意に改善していた。また,SBはOA装着直後において有意に減少したが,1,4,6週後には差はみられなかった。SBと咀嚼筋痛との間に相関関係は認められなかった。OA治療は,咀嚼筋痛の緩和に有効であること,また1週間程度ではあるがSBの減弱にも効果があることが明らかとなった。</p>

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