当院における乳児症例に対する生体肝移植術
抄録
<p> 乳児期低体重の症例に対しては、手術手技やグラフトの選択などに注意が必要である。今回、乳児胆道閉鎖症に対する当院での典型手技をビデオ供覧し、当院における手技の工夫を紹介する。</p><p> 胆道閉鎖症の患児は葛西手術を受けているため、癒着剥離を要するが、十二指腸損傷には十分注意が必要である。繰り返す胆管炎や門脈圧亢進症のため、門脈血流が低下している症例が多く、十分な門脈血流確保のために無肝期門脈圧を25mmHg以上になるように側副血行路処理を行う。下大静脈は肝静脈の頭尾側でクランプし、十分なスペースを確保したうえで左中右肝静脈を1穴の吻合口として形成する。門脈吻合では、門脈内腔の門脈硬化・狭小化を認める場合は、血管間置グラフトを使用することも多いが、適切な硬化部のトリミングと、斜切開による吻合口の確保で直接吻合が可能である。動脈吻合では、動脈周囲の結合組織剥離範囲は吻合部周囲のみとし、無用な剥離操作は避けて吻合する。胆管空腸吻合は、胆汁鬱滞を避けるために盲端が尾側になるように吻合する。B2肝管内にステントチューブを挿入している。閉腹時はグラフトが圧迫されないよう、以前は皮膚のみで閉じることもあったが、近年は減量グラフトを使用することで通常通り筋膜を合わせる閉腹が可能となっている。</p><p> 当施設では2022年5月までに1歳未満かつ体重6kg以下の肝移植は106例で行っており、観察期間5.2年(中央値)で92例が生存と良好な成績であった。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 57 (Supplement), s195_1-s195_1, 2022
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390295203824955264
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可