GRWR基準値外の生体肝移植症例のリスク評価

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<p><はじめに>生体肝移植(LDLT)では通常、0.8%≦グラフト対体重比(GRWR)<4.0%を目標とするが、最低要件に関して一定の見解がない。GRWR基準値外症例のリスクを当科の経験から検討した。</p><p><対象>1996年〜2022年の初回LDLT症例を5群(extra-small群(XS;GRWR≦0.6%;4例)、small群(S;0.6% <結果>各群のGRWRの平均値は各々0.51%,0.74%,1.58%,3.09%,4.15%(XS:S:M:L:XL)であり、年長児ほどGRWRが低かった。(XS:S:M:L:XL=18.5歳:18.7歳:6.5歳:0.7歳:0.7歳)。グラフト生存率は75%,90%,84%,84%,100%(XS:S:M:L:XL)であり、グラフト血管イベントの発生率(XS:S:M:L:XL=0%:0%:13.8%:15.6%:25%)に有意差はなかった。L群の1例、XL群の2例が一期的腹壁閉鎖困難であった。</p><p><結語>GRWRの高い症例では腹壁閉鎖困難例があるものの、基準値外でもグラフトロスに直結する変化は見られなかった。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s315_2-s315_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

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