義務教育現場における「生命尊重と臓器移植」

DOI

この論文をさがす

抄録

<p>【背景】2019年より義務教育の道徳が科目化され、教科書で臓器移植が扱われるようになった。</p><p>背景にはいじめ自殺問題がある。文部科学省は生命軽視の世相の中で、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を基盤とし、生徒の豊かな心を育成するために、現代的な課題として「生命倫理」を取り扱う。中学校の道徳科では「生命尊重の教材」や「臓器提供に関する道徳教材」が取り入れられた。</p><p></p><p>以前から「いのちの授業」の特別講師として、義務教育現場で臓器移植を通して「いのちの大切さ」を伝える活動をしてきたが、教科書掲載を機に、教材に沿った道徳科のゲストティーチャーという形の依頼が来るようになった。</p><p></p><p>【目的】義務教育の現場において、臓器移植を扱うことに対する教師の思い、課題や、臓器移植の当事者に求めること、当事者だから出来ることを明確にする。</p><p></p><p>【方法】①義務教育の教員にアンケートを実施。</p><p>道徳科で臓器移植を扱うことをどう感じているか、困りごと等、意見を数値化する。</p><p>②複数年、複数回依頼をいただく教員数名に、目的、理由、効果等、生の声を聞く。</p><p>③コロナ以前からゲストティーチャーの依頼を数多く頂く岐阜聖徳学園大学准教授の山田貞二先生(全国的に活躍、道徳科のレジェンドと呼ばれる。2021年3月、一宮市立浅井中学校校長を定年退職後も道徳科の授業を多数受け持つ。著書も多数)には更に、コロナ禍以降新たな授業の形となったリモート形式でのゲストティーチャーのメリットデメリットを含む見解を仰ぎ、当発表作成にサポートをいただく。</p><p></p><p>【結語】結果をまとめ、教材として臓器移植を扱う教育現場での課題を考察する。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s352_2-s352_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ