ダブラフェニブ+トラメチニブ投与中に完全房室ブロックと共に左室収縮機能障害を呈したがダブラフェニブ単剤にすることで治療継続できた1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Left Ventricular Contractile Dysfunction with Complete Atrioventricular Block During Administration of Dabrafenib Plus Trametinib in Which Treatment Was Able to Be Continued with Dabrafenib Alone

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説明

<p>背景.非小細胞肺癌におけるBRAF遺伝子変異陽性例はまれだが高い奏効率,全生存期間の延長効果が期待できるため,一次治療でダブラフェニブ+トラメチニブが推奨されている.症例.81歳男性.健診で右下肺野に結節影を指摘された.原発性肺癌が疑われ,精査にてBRAF遺伝子変異陽性肺腺癌と診断した.病期はcT4N3M0,cStage IIICであり,一次治療としてダブラフェニブ+トラメチニブを開始した.治療開始後3か月で下腿浮腫,労作時呼吸困難が出現した.完全房室ブロックを認め,心エコーにて左室駆出率が治療開始以前の61.3%から39.9%まで低下していた.ダブラフェニブ+トラメチニブを中止し,ペースメーカー植込み術,心臓カテーテル検査を行った.他に明らかな原因が特定できず,ダブラフェニブ+トラメチニブによる有害事象が疑われた.薬剤中止で左室駆出率は改善したが2か月後に原発巣が増大した.ダブラフェニブのみ減量して再開した.その後心障害の出現なく,4か月間継続した.結論.ダブラフェニブ単剤にすることで分子標的薬治療を継続することができた.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 63 (1), 58-63, 2023-02-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (10)*注記

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