生存時間の2標本問題—コピュラに基づく従属打ち切り問題への対処—
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- 江村 剛志
- 久留米大学バイオ統計センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Two-Sample Problems for Survival Time—A Copula-Based Approach for Dependent Censoring—
抄録
<p>Mann-Whitney検定は2つの母集団の差異をノンパラメトリック検定する統計手法である.2つの生存時間を比較する場合,一方が他方より確率的に大きい度合「Mann-Whitney効果」を推定する.Mann-Whitney効果のEfron推定量は,打ち切り時間と生存時間が互いに独立であるという仮定(独立打ち切りの仮定)下で妥当である.一方,この仮定が成立しない「従属打ち切り」に起因するバイアス問題が生存時間解析の文脈において活発に議論されている.本稿では,Mann-Whitney効果のEfron推定量の漸近バイアスをコピュラに基づいて解析する方法を紹介する.また,従属打ち切りの構造をコピュラで調節することにより漸近バイアスの無い推定量が構成できることを示し,それを用いた2標本検定法を紹介する.推定量の一致性・漸近正規性やモデル誤特定下での性質も議論する.最後に実データを用いて提案手法を解説する.データ解析のRコードは付録に与える.</p>
収録刊行物
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- 日本統計学会誌
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日本統計学会誌 52 (2), 295-317, 2023-03-01
一般社団法人 日本統計学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390295270228161408
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- ISSN
- 21891478
- 03895602
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可