ファウラー位におけるずれの力に関する研究
書誌事項
- タイトル別名
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- Study of Pressure Ulcer Development Risk from Shearing Force on a Patient in Fowler's Position, Obtained by Using Force Sensors
- -フォースセンサーによる測定結果より-
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説明
本研究の目的は、45度ファウラー位の姿勢をとる過程で、足元にずり落ちようとする力が、臀部の褥創の発生に影響するか検討することである。方法として、健康な男女4人の臀部にかかる、水平に向かう力(以下水平力)と、垂直に向かう力(以下垂直力)のそれぞれの荷重(Kg)をフォースセンサによって測定した。ファウラー位の体位として、膝を挙げない場合と、ずり落ち防止のために膝をあげた場合の二通りを測定した。<br> 結果として、膝を挙げた場合も挙げない場合も、ベッド角が上昇すると、水平力・垂直力の荷重は上昇してゆき、その後急激に荷重が減り、値が安定した。水平力を示す軌線は、上昇した後、急激に下降する鋭角の波を示した。この波は、静止摩擦力から解放され、体がずれた様子をあらわしていると考えられた。<br> 膝を挙げた場合と、挙げない場合の水平力の比較では、膝を挙げないで頭部を挙上すると、ずり落ちようとする力が大きい。ずり落ち防止のために膝を挙げると水平力は減るが、その反面、垂直力が増加することが示唆された。<br> 以上のことから褥創発生危険度が高い人は、ファウラー位をとらない方がよい。やむおえない場合は、ベッドなどに背部が触れながら上体を挙上させるのではなく、看護者2名によって上体を挙上させた上で、個人の体形に合わせたバックレストの形を工夫したほうがよい。
収録刊行物
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- 日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
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日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌 2 (1), 24-30, 1998
一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390295270228176256
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- ISSN
- 18842321
- 1884233X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可