航空機搭載6GHzマイクロ波放射計と赤外線を用いたアラスカ地表面の冬から春への遷移観測

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タイトル別名
  • Winter-spring transition of ground conditions over Alaska derived by airborne 6GHz microwave and infrared observations
  • Airborne 6 GHz microwave observations of the winter-spring transition of ground conditions over Alaska

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抄録

北極圏では急速な温暖化が報告されている.温暖化のメカニズムの研究では,冬から春にかけての雪氷圏の変化が注目されているが,衛星リモートセンシングは冬から春の雪氷圏観測の有効な手法である.これまで積雪域の観測には37GHz, 19GHzのマイクロ波を使った観測が用いられてきたが,本研究では低周波の6GHzの利用を検討した.冬から春のアラスカの地表面の変化の観測のために,航空機搭載マイクロ波放射計によるアラスカの湖や湿地,森林地帯の観測を実施した.積雪の昇温が起こり,融解が始まる春の雪氷域では表面を観測する赤外線と内部を観測する低周波マイクロ波の組み合わせが有効である.積雪融解前はTBの地域差はほとんど見られなかったが,融解期の開始とともに違いが大きくなった.冬から春にかけて,赤外線が示す表面温度の上昇の一方で積雪底部はまだ低温状態にある.航空機と衛星観測により,アラスカの春の昇温の進行におけるフェアバンクス周辺の低地の速い昇温と山岳の昇温の遅れが観測出来た.また,山岳域では積雪内部の昇温の遅れ,低地では森林の顕著な昇温と湿地や凍結している湖での昇温の進行が観察できた.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 78 (6), 365-382, 2016

    公益社団法人 日本雪氷学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (19)*注記

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