在留ペルー人母親の子どもの医療機関受診行動と困難

書誌事項

タイトル別名
  • Behavior and Difficulties of Peruvian Mothers When Taking their Children to Consult a Doctor in Japan
  • ザイリュウ ペルージン ハハオヤ ノ コドモ ノ イリョウ キカン ジュシン コウドウ ト コンナン

この論文をさがす

説明

目的<br> 在留ペルー人の母親が子どもの病気に気がついてから受診に至るまでの行動、医療機関受診時の困難および対処を明らかにし、支援を検討する。<br> 方法<br> A県内に在住しているペルー人の母親4名にスペイン語あるいは日本語で半構造化面接を実施し、質的記述的に分析を行った。<br> 結果<br> 在留ペルー人の母親の子どもの医療機関受診に至るまでの行動は、【受診しないで済むような健康に留意した生活】、【受診するか否かの判断】、【受診場所の選択】にまとめられた。医療機関受診時の困難は、【言語の違い】、【医療体制・文化的背景の違い】、【サポート不足】【仕事を休めない状況】があり、その対処として、自分の日本語能力を向上させる、ペルー式の育児習慣を継続する、社会的サポートを活用する、仕事以外の時間に受診する等の対処行動をとっていた。<br> 結論<br> 在留ペルー人の母親は、日頃から予防行動をとっており、子どもの体調不良に自ら対処できない場合に医療機関を受診させていた。言語的な困難が大きいため、医療通訳システムの整備は急務である。さらに、日本社会の中で孤立しやすい在留ペルー人の母親が日本の医療機関受診やサポートに関する情報を得やすくするためのシステムも必要である。加えて、在留ペルー人母子の医療機関受診の裏には、受診に至るまでの対処や思いがあることを看護師や医療従事者は意識する必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ