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- タイトル別名
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- Reconstruction of “parent” and “grandparent” in Atayalic languages
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抄録
オーストロネシア語族のアタヤル語群(アタヤル語とセデック語)において、「父」「母」「祖父」「祖母」を表す語を分析し、アタヤル語群祖語における形式を再建する。アタヤル語とセデック語の「父」の形式abaとtamaを比較しても、「母」の形式ayaとbubuを比較しても、アタヤル語群祖語が再建できないが、オーストロネシア祖語に*ayaという形式があり「親」と再建されうる。そのためアタヤル語のaya「母」が古形を保有しており、「親」から「母」へ意味が変わった。その他は改新によるものである。また、アタヤル語とセデック語の「祖父」の形式utasとbakiを比較しても、「祖母」の形式akiとpaiを比較しても、アタヤル語群祖語が再建できないが、オーストロネシア祖語に*akiという形式があり「親の親」と再建されうる。そのためアタヤル語のaki 「祖母」が古形を保有しており、「親の親」から「祖母」へ意味が変わった。その他は改新によるものである。アタヤル語群祖語並びにオーストロネシア祖語に再建されたのは*aya「親」と*aki「親の親」であり、性別を区別しない。また、これらの再建の過程で、オーストロネシア祖語の「父」と「母」とされてきた*amaと*inaを「婿」と「嫁」に修正した。
収録刊行物
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- アイヌ・先住民研究
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アイヌ・先住民研究 3 63-82, 2023-03-01
北海道大学アイヌ・先住民研究センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390295491691919232
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- NII書誌ID
- AA12915103
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- HANDLE
- 2115/88300
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- NDL書誌ID
- 032818116
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- ISSN
- 24361763
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可