混合臭を嗅いだ際に認知できる食物の特性と情動との関連

書誌事項

タイトル別名
  • Correlation between Food Characteristics and Emotions That Arise When Smelling Mixed Odors
  • コンゴウシュウ オ カイダ サイ ニ ニンチ デキル ショクモツ ノ トクセイ ト ジョウドウ ト ノ カンレン

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抄録

<p>【目的】食物の混合されたにおいをヒトはどの程度認知できるか把握する。また,食物のにおい認知と食物臭嫌悪を誘導する情動との関連を検討する。</p><p>【方法】あらかじめ単独試料のにおいを学習させ,その際ににおいに誘導される情動 (快・不快) をビジュアルアナログスケール (VAS) で評価させた。その後に,2種混合のにおいの同定検査を実施し,提示した6種類の中から2種類のにおいを選択させた。その際に混合のにおいに誘導される情動 (快・不快) もVASで評価させ,単独試料の評価と比較した。</p><p>【結果】2種混合でもバナナ (正解率85.3%),煮魚煮汁 (正解率82.4%),グレープフルーツ果汁 (正解率70.6%) はにおいを認知されやすかった。ただし,臭気指数が高く,快なにおいのグレープフルーツ果汁よりも,不快なにおいのバナナと煮魚煮汁の方が高い正解率で認知された。また,不快なにおいである煮魚煮汁 (VAS37.5点) と快なにおいであるグレープフルーツ果汁 (VAS80.0点) を混合すると,さらに不快な情動が強くなった (混合VAS15.5点)。</p><p>【結論】ヒトは食物のにおいを2種混合しても,1つ1つのにおいを別々に認知することができ,その認知する能力は食物のにおいの強さや質だけでなく,そのにおいに誘導される情動 (特に不快) が深く関わっている可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 81 (1), 20-29, 2023-02-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (8)*注記

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