青年期後期における恋愛行動の規定因について : 関係進展度,恋愛意識,性別役割の自己認知が恋愛行動の遂行度に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Romantic Love Behavior in Late Adolescence : The Influence of Developmental Stages, Love Styles, and Self-concepts of Gender-role on Romantec Love Behavior
  • セイネンキ コウキ ニ オケル レンアイ コウドウ ノ キテイイン ニ ツイテ カンケイ シンテンド レンアイ イシキ セイベツ ヤクワリ ノ ジコ ニンチ ガ レンアイ コウドウ ノ スイコウド ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

本研究では,恋愛過程において遂行される恋愛行動の規定因を明らかにすることを目的とした.研究1では,恋愛過程で生じると思われる恋愛行動項目を検討し,恋愛行動を捉えることのできる尺度を作成した.分析の結果,男女ともに「親密交際行動」・「相互理解行動」・「否定的行動」・「男性役割行動」・「女性役割行動」・「デート行動」という6つの下位尺度からなる恋愛行動尺度が構成された。研究IIでは,関係進展度,性別役割の自己認知,恋愛意識,交際相手の行動が,恋愛行動の遂行に及ぼす影響について検討した.その結果,男性においては結婚の可能性が直接男性役割行動を高め,女性では結婚の可能性がErosを介して間接的に女性役割行動を高めていた.また,女性の女性役割行動が交際相手の男性の男性役割行動の遂行度を高めていた.これらの結果は,恋愛過程において男女が遂行するとされる相補的役割の中に,性別役割行動が含まれており,関係進展度がそれらの遂行に影響を及ぼしていることを示唆しており,青年期の恋愛関係においても,固定的な性別役割分業観が影響を及ぼしている可能性が示された.さらに,女性においては,Ludusが行動の規程因として強く影響していることから,女性の場合その恋愛が遊び感覚であるか否かによって大きく行動が変わることが明らかになった.

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