高齢者における歯科領域関連の気道異物の3例

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  • Three Cases of Dental Airway Foreign Bodies in the Elderly

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抄録

<p>背景.近年高齢化に伴い高齢者における気道異物の症例が増加傾向にある.症例.1例目は80歳,男性.歯科治療中にメタルコアを誤嚥.軟性鏡下に鰐口生検鉗子を用いてメタルコアの支柱部分を把持して摘出した.2例目は79歳,男性.脳梗塞で入院中に誤嚥性肺炎を併発し,画像検査で偶発的に異物を確認.軟性鏡下に癒合歯を確認し,消化器内視鏡用大型鰐口鉗子で把持し内視鏡ごと抜去した.3例目は76歳,男性.歯科治療後からの咳嗽があり,画像検査で異物を確認.軟性鏡下に歯冠を確認し,歯冠の平坦な部分を短軸方向にW字鉗子で把持し摘出した.結論.歯科領域関連の気道異物は,特に高齢者では臨床症状に乏しく,疑った場合は速やかな画像検査施行が望ましい.異物の存在部位や形状を把握し,多くの手段を準備した上で適切なデバイスを使用することが必要である.自然脱落の可能性もあり,固定の悪い歯,義歯,歯冠は早期治療が必要である.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 45 (2), 110-115, 2023-03-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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