Space for Spacing out
抄録
本制作は WIRE NEWS の『「とりとめのない夢想」と創造性』(Jonah Lehrer, 2011)という記事に着想を得ている.記事の中で,著者は「とりとめのない夢想」が従来考えられてきたよりも遥かに複雑かつ生産的であることを指摘している.また,「とりとめのない夢想」を意識的に,それが夢想であることを分かった上で楽しんでいる人々を紹介しており,そうした人々が創造力に秀でる傾向にあるとの研究結果を紹介している.本制作は,VR技術を用いて「とりとめのない夢想」を鮮やかな感覚を持って体験することを目標とした.VR 技術を用いた体験により,体験者はその夢想的世界を一人称的視点から体験する.その体験はより私的なものとなり,体験者の内面に訴えかけるだろう.さらに体験者自身がそのことを意識化できれば,先述した記事にあるように,その体験から得たものを外部化し,創造性をさらに発揮できるようになるのではないだろうか.
収録刊行物
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- 画像電子学会研究会講演予稿
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画像電子学会研究会講演予稿 20.03 (0), 73-76, 2021
一般社団法人 画像電子学会