稲作法人経営における自動化・ロボット技術の活用要因の解明

書誌事項

タイトル別名
  • Factors Affecting Utilization of Robotic and Automation Technology in Corporate Rice Farming

抄録

<p>本稿では,稲作法人経営における自動化・ロボット技術の活用を規定する要因(以下,活用要因)を明らかにする.具体的には,全国農業法人アンケートに基づいたプロビット分析を行う.プロビット分析では,被説明変数に各自動化・ロボット技術の現在の活用状況を,説明変数に経営の目標・管理や経営・経営者属性を設定する.分析の結果,「操作アシスト機能付き農業機械」と「作物栽培機械作業の自動化・ロボット」に共通の活用要因は法人設立経緯であり,非農家出身者等が法人設立に参画した経営では,それ以外に比較し,技術を活用している確率が40.6–50.9ポイント上昇する結果になった.また各技術固有の活用要因について,「操作アシスト機能付き農業機械」は営農開始後の経過年数が長いこと,「作物栽培機械作業の自動化・ロボット」はICT活用力・情報マネジメントが強みであること,経営者年齢が60歳以上であること,水稲売上高が大きいことであった.「農地灌漑・給水の自動化」は有意な結果が得られなかった.以上より,稲作法人経営における自動化・ロボット技術の活用には,経営が有する他産業や先端技術に関連する知見・人材の影響があり,これが重要な活用要因と示唆された.また,各技術の特性から活用要因の差異がみられると考えられた.</p>

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