当院の感染症内科漢方外来における COVID-19罹患後症例の傾向~開設初期の受診例から~

  • 並木 隆雄
    千葉大学医学部附属病院和漢診療科 千葉大学大学院医学研究院和漢診療学 千葉大学医学部附属病院感染症内科
  • 根津 雅彦
    千葉大学医学部附属病院和漢診療科 千葉大学医学部附属病院感染症内科
  • 猪狩 英俊
    千葉大学医学部附属病院感染症内科

書誌事項

タイトル別名
  • Trends in Patients with Long COVID (COVID-19 Long-Term Effects) in the Kampo Outpatient Department of Infectious Diseases at Our Clinic — From Early Cases
  • トウ イン ノ カンセンショウ ナイカ カンポウ ガイライ ニ オケル COVID-19リカンゴ ショウレイ ノ ケイコウ : カイセツ ショキ ノ ジュシンレイ カラ

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抄録

<p>緒言:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症患者に漢方治療外来を開始し患者の傾向と治療について検討した。</p><p>対象と方法:2021年5月~9月に受診し文書同意が得られた9例。治療は証に基づいて選択し,漢方的な考えでの生活習慣等に関する指導をした。</p><p>結果:全症例で疲労(気虚),生活習慣の不摂生(過剰な冷飲食),心身のストレス負荷のいずれかまたは全てが複合的に存在していた。患者は確立した西洋医学の治療法がないことや継続診療の体制が不十分なことへの不安が強かった。治療は補剤や柴胡剤の使用が多く,9例全例において4—5週以内に症状の改善傾向が認められた。</p><p>考察:漢方薬の使用と冷飲食中止の指導の併用で速やかな薬効が得られた印象がある。今後のさらなる検討が必要である。</p><p>結論:COVID-19後遺症に対し西洋医学的治療は確立していない。一方,今回の患者での経験では心身一如の漢方治療は有用性があった。</p>

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参考文献 (2)*注記

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