口腔のHuman Papillomavirus(HPV)感染の危険因子としての性行動と喫煙

  • 重石 英生
    広島大学大学院医系科学研究科公衆口腔保健学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Sexual behavior and smoking as risk factors for oral human papillomavirus infection
  • コウコウ ノ Human Papillomavirus(HPV)カンセン ノ キケン インシ ト シテ ノ セイコウドウ ト キツエン

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説明

本稿では、最近報告された疫学研究や基礎的研究の結果をもとに、口腔のHPV感染の危険因子や、口腔のHPVと歯周病および口腔癌との関係について概説する。口腔のHPV感染と性行動との関係を検討したメタ解析の結果から、HPV感染と口腔性交との間に有意な関連を認めた。喫煙者は非喫煙者と比べて口腔のHPV感染のリスクが高く、喫煙に伴う高リスク型HPVの持続感染が、口腔癌の発症に関与している可能性がある。また、歯周病患者の歯周ポケットからHPV DNAと歯周病原細菌が検出されたことから、口腔のHPV感染は歯周病と関係していると考えられる。HPV16 DNA陽性の上皮異形成症の多くが扁平上皮癌に移行したことから、HPV16は口腔癌の発生初期の段階で、悪性形質の獲得に重要な役割を担うと予測される。また、エピゾーマルHPV DNAは悪性化機構に関与している可能性がある。

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