【書評】本田由紀編(2018)『文系大学教育は仕事の役に立つのか』ナカニシヤ出版

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  • Book Review: Yuki HONDA (2018) Is University Education Useful for Job?

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[要旨] 2015年の文科省通達を契機として、いわゆる文系不要論が巻き起こり、人文社会科学系の学問の価値や有用性が議論された。本書はそうした流れの中で、EvidencebasedPolicy-making(EBPM)の追い風をも受けながら誕生した研究成果であり、そこでは主として文系教育の職業的レリバンスが問われている。具体的には、法学、経済学から文学、教育学など文系の学問領域による差異の有無、文系教育の恩恵を最も感じている職業分野、文系教育を無駄或いは不要と感じている卒業生の特徴などについて、精緻な統計手法を用いながら実証的に考察している。その手法には批判もあり、また一部の章では説明不足が見られたり、職業的レリバンスとは研究上の関連性を見いだせなかったりするものの、理系教育がより重視されようとしている今、大きな価値と可能性を持つ研究成果であることは疑いない。

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