書誌事項
- タイトル別名
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- The Future of the Trilogy of Artificial Intelligence, Science, and Humans
- ジンコウ チノウ ・ カガク ・ ニンゲン ノ トリロジー ノ ショウライ
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抄録
人工知能(AI)は,科学的探究において非常に大きな役割を担いつつある.しかし,AIは単に科学的探究を効率的に前進させる道具として働くにとどまらず,その使用は科学のあり方そのものに重大な転換をもたらす可能性がある.AIの行う情報処理は,人間には理解困難なブラックボックス的性格がしばしば見られるが,そこからは,AIが科学と人間の従来の結びつきを根本的に変化させ,最終的には人間を科学から切り離してしまうのではないか,といった懸念が生じるのである.本稿では,そうした懸念の内実を明らかにし,それにどのような対応策があるのかを概観・検討したうえで,AIと科学,そして人間の三者が形づくる関係の将来について考察する.具体的には,説明可能・理解可能なAIの開発を目指す研究も対応策として始まっているが,その成功は必ずしも保証されていない.しかしそれでも,たとえば脳の研究とAIの研究とが相補的に進められるような,新たな領域を切り開いていける可能性は十分に残されている.結論部では,これから当面のあいだ続くのは,AIを媒介にした新しい研究領域が次々と登場し,まさにそのことによってAIと科学と人間がいっそう緊密な関係を取り結んでいく将来であるとの見通しを示している.
本研究は,科学研究費補助金・挑戦的研究(萌芽)「コンピュータ化によるパラダイム変化とその対応」(課題番号:21K18351)にもとづく研究成果の一部である.
収録刊行物
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- 情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要
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情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 56 1-22, 2022-12-20
関西大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390295757684467200
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- NII書誌ID
- AN10484636
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- HANDLE
- 10112/00028148
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- NDL書誌ID
- 032836322
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- ISSN
- 1341156X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL