書誌事項
- タイトル別名
-
- Radiological Evaluation of Cases of Fungal Mycetoma in the Maxillary Sinus
この論文をさがす
抄録
<p>副鼻腔真菌症は病態により急性浸潤性,慢性浸潤性,慢性非浸潤性,アレルギー性の4つに分類され,このうち慢性非浸潤性が最も頻度が高い。これは通常一側性で上顎洞に多く,しばしば保存加療抵抗性で,病変除去のみならず浸潤性真菌症への移行を防ぐ目的で内視鏡下手術が行われる。</p><p>本研究では,慢性非浸潤性上顎洞真菌症の術前診断精度を評価するため,慢性非浸潤性上顎洞真菌症(真菌症群)と一側性慢性副鼻腔炎(CRS群)について後方視的に比較検討した。結果,副鼻腔単純CTで計測した上顎洞骨壁厚は後壁では真菌症群で有意に肥厚が強く,前壁では両群間に差はなかった(前壁;p=0.21,後壁;p=0.04)。またCTにおける洞内の石灰化濃度病変は真菌症群に有意に多く見られた(p<0.001)。さらに,副鼻腔単純MRIのT2強調画像における洞内の無信号域は真菌症群に有意に多く見られた(p<0.001)。対象例における画像診断精度は,CTにおける石灰化濃度病変の有無では感度0.688,特異度0.839で,MRI T2強調画像における無信号域の有無では感度1,特異度0.968であった。またCTで石灰化濃度病変を認めなかった例は真菌症群で有意に女性が多かった。</p><p>以上より慢性非浸潤性上顎洞真菌症の画像診断において,単純CTに加えて単純MRIを施行することが診断精度の向上に寄与し,特に女性においてその傾向が強いと考えられた。</p>
収録刊行物
-
- 日本鼻科学会会誌
-
日本鼻科学会会誌 62 (1), 135-142, 2023
日本鼻科学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390295834374218496
-
- ISSN
- 18837077
- 09109153
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可