Environmental Monitoring Efforts after the Great East Japan Earthquake in Fukanuma Area, Sendai Coast.

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  • 仙台海岸深沼地区における東日本大震災後の環境モニタリングの取組

Abstract

<p>仙台湾南部海岸の深沼地区では,東日本大震災後の海岸堤防の復旧工事において,海岸堤防の法線を堤内地側へ移動する(セットバック)を含む環境保全対策が行われた.応用生態工学会仙台では,砂浜生態系および生物群集に対する環境保全対策の効果を評価するために,2018 年度(平成 30 年度)に「仙台海岸環境モニタリングプロジェクト」を立ち上げ,2019 年度(令和元年度)から深沼地区における砂浜生態系の状況の追跡調査を開始した.2019 年は 8 月に,物理環境調査,植物調査(コドラート調査,注目種調査),陸上昆虫類等(昆虫類以外の節足動物も含む)調査を実施した.調査の結果,生物(植物および陸上昆虫類等)の生息・生育要因については汀線からの距離,地盤高との関係性を確認した.また,環境保全対策の一つとして堤防のセットバックを実施した A エリア(海浜性生物の回復が顕著で,物理環境面から海浜性生物にとって潜在的に良好な生息域)では,堤防工事から 10 年経過した現在も,海浜性生物にとって潜在的に良好な生息域が維持されていることが明らかとなった.一方で,再生の核と位置付けた A エリアからの生物の広がりを期待した C エリアは,A エリアほどの潜在的に良好な生息域には至っていなかった.応用生態工学会仙台では 2020 年度以降も毎年,追跡調査を実施している.今後は,海岸堤防が植物の種子の移動分散や陸上昆虫類等の徘徊,飛翔に及ぼす影響,飛砂や波浪に及ぼす影響をより詳細に調査し,堤内地に影響が及ぶメカニズムの解明を進めたい.</p>

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