清掃性,安定性の高い審美インプラント治療を求めて

DOI
  • 佐々木 猛
    近畿・北陸支部(大阪口腔インプラント研究会)

書誌事項

タイトル別名
  • The Pursuit of Cleansable and Stable Implant Esthetics

抄録

<p>審美領域におけるインプラント治療は,上部構造の審美性(White esthetics)だけでなく,周囲組織の審美性(Pink esthetics)の獲得も求められる.また,上部構造と周囲組織が口唇や顔貌に対して調和し,良好なリップサポートとして機能することも,前歯部インプラント治療の重要な成功要件の一つである.したがって,審美領域におけるインプラント治療は非審美領域のインプラント治療に比べて,成功基準は高い.</p><p>審美インプラント治療を成功に導くためには,以下のようなインプラント特有のさまざまな基本的原則を遵守することが必要である.①インプラントは天然歯と違い歯根膜を有しないため,生体恒常性を維持し,唇側歯肉を維持するためには2 mm以上の骨の厚みが必要である.②ソーサリゼーションによる辺縁骨の吸収に鑑み,インプラント間は3 mm以上,天然歯とインプラント間は1.5 mm以上の距離を確保して,乳頭部を支持する歯間部骨の保存を図る.③審美性と清掃性を考慮して,適切な位置,深さ,角度でインプラントを埋入する.④天然歯に比べ,インプラント周囲の防御機構は脆弱であるため,インプラント周囲には適量の角化粘膜が必要である.</p><p>また,疾患で歯槽堤を失った患者に対しては,硬,軟組織の造成術が必要となる.症例を提示しながら,予知性が高く,効果的なGBR法を紹介し,角化粘膜を失わない臨床的工夫についても考察する.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390295911804524928
  • DOI
    10.11237/jsoi.36.21
  • ISSN
    21879117
    09146695
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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