回復期リハビリテーション病棟における歯科との連携状況

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書誌事項

タイトル別名
  • Status of Cooperation with Dentistry in Comprehensive Rehabilitation Wards
  • ―A National Survey Using a Self-administered Questionnaire―
  • ―自記式質問票による全国調査―

抄録

<p> 目的:回復期リハビリテーション(リハ)において,口腔問題解消と摂食機能向上のためには,適切な口腔機能管理が不可欠である。今回われわれは,回復期リハ病棟における歯科の関わりを明らかにするため全国調査を実施した。</p><p> 方法:回復期リハ病棟協会会員の1,235施設を対象に,歯科との連携に関する自記式質問調査を実施した。質問内容は,歯科との関わり方,連携による効果などから構成された。回答を記述統計でまとめ,歯科連携体制によって回答に相違があるか検討した。</p><p> 結果:319施設(25.8%)から得られた回答のうち,94%の施設で入院患者への歯科治療が実施されていたが,そのうち院内歯科が26%,訪問歯科が74%であった。常勤の歯科医師と歯科衛生士の人数の中央値は0であった。院内歯科がある施設のほうが,訪問歯科対応の施設よりも歯科治療延べ人数が有意に多く,歯科との連携による効果として,患者や病棟スタッフの口腔への意識の向上との回答が有意に多かった。</p><p> 結論:本調査より,限定的ではあるが,院内歯科がある施設では,常勤の歯科専門職は少ないが歯科との連携の効果を実感している施設が多くあった。一方,本調査の回答率から,回復期リハ病棟を有する病院では,歯科との連携がなされていない施設が多くあることも考えられた。今後,回復期リハにおける医科歯科連携強化に向けて,エビデンスの創出や診療報酬の付与が必要であると考えた。</p>

収録刊行物

  • 老年歯科医学

    老年歯科医学 37 (4), 312-319, 2023-03-31

    一般社団法人 日本老年歯科医学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390295911804567680
  • DOI
    10.11259/jsg.37.4_312
  • ISSN
    18847323
    09143866
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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