小児難治性てんかん治療薬soticlestat(TAK-935)の創製

DOI
  • 小池 竜樹
    武田薬品工業株式会社 ニューロサイエンス創薬ユニット
  • 吉川 真人
    武田薬品工業株式会社 ニューロサイエンス創薬ユニット
  • 安藤 春陽
    武田薬品工業株式会社 退社
  • 宮本 真紀
    武田薬品工業株式会社 ニューロサイエンス創薬ユニット
  • 西 俊哉
    武田薬品工業株式会社 退社

書誌事項

タイトル別名
  • Discovery of Soticlestat (TAK-935) , a First-in-class Drug for Antiseizure Medication (ASM)

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抄録

コレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H, CYP46A1)は、コレステロールを24S-ヒドロキシコレステロール(24HC)に変換するCYPファミリーに属する酵素で、脳特異的に発現し、脳内コレステロールの恒常性バランスの調節に深く関与している。一方で、CH24Hに選択的な阻害剤はこれまで報告されておらず、その創薬標的としての有用性は十分検討されていなかった。筆者らは、structure-based drug design(SBDD)を駆使した化合物最適化研究により、強力なCH24H阻害活性と良好なCYP選択性を併せもつsoticlestatを見出すことに成功した。Soticlestatは、複数のてんかんモデル動物において、経口投与によりけいれん頻度を有意に低下させ、CH24Hの阻害剤が発達性てんかん性脳症(DEE)の治療に有用であることを見出した。現在、soticlestatは、ドラベ症候群(DS)およびレノックス・ガストー症候群(LGS)を対象に第Ⅲ相臨床試験が進められている。

収録刊行物

  • MEDCHEM NEWS

    MEDCHEM NEWS 33 (2), 64-69, 2023-05-01

    公益社団法人 日本薬学会

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