Real Picture of Tāzī Ware Described in Ko Ku Yao Lun ; Literati’s Understanding of Islamic World and Europe in the Early Ming Dynasty

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  • 明曹昭『格古要論』巻之下 古窯器論 大食窯について
  • メイソウショウ 『 カクコ ヨウロン 』 カンユキカ コ ヨウキロン タイショク ヨウ ニ ツイテ

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明初に曹昭が著した『格古要論』中の古窯器論のうちの大食窯の条は陶磁器ではなく銅胎七宝について記述しており、中国七宝史の冒頭で必ず引用されるが、その内容について真剣に検討されたことはいまだにない。「大食」はイスラム帝国アッバース朝(750 ~ 1258) とその領域を指す語であるが、『格古要論』が対象とする時代にはイスラム美術としての七宝の遺例はこの地域にはほとんどない。その領域でわずかなビザンティン系有線七宝が確認されるのみである。一方、関連して記述される「拂郎嵌」の「拂郎」は中東イスラム教徒のヨーロッパ人に対する呼称「フランク」の転音語であり、「拂郎嵌」は「フランクの七宝」すなわちビザンティン七宝から波及して発展し、13世紀頃にはリモージュなどで隆盛したヨーロッパ産の七宝を指すと考えられる。元から明時代前期(14 ~ 15 世紀) では、中国とヨーロッパの直接的な交渉がほとんど始まっておらず、大食商人を介しての文物の往来があった。そのため中国の大食以西に関する認識はかなり莫然としていたと考えられ、『格古要論』巻之下 古窯器論 大食窯は、ビザンティン系およびヨーロッパ産の七宝について述べたものである可能性がある。

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