上腕骨近位端用プレートを用いて脛踵間固定術を施行した1例

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抄録

<p>距骨壊死は,距骨圧潰が進行し,可動域制限や疼痛が生じると,日常生活に支障をきたすため,手術療法を要することが多い.今回,距骨壊死に対し,外側アプローチで展開し,反転した上腕骨近位端用プレートを用いて脛踵間固定術を施行した1例を経験したので報告する.症例は81歳男性.左足関節を捻挫して受傷.近医で骨折は指摘されず,趣味の登山を継続していたが,その後徐々に左足関節痛が増悪したため,当科紹介受診となった.単純X線で距骨が高度に圧壊し,距腿関節裂隙が消失していた.脛骨天蓋の軟骨下骨に巨大な骨嚢胞もあり,骨質が不良であると判断し,脛踵間固定術を選択した.術後6週間は外固定とし,その後はPTB装具下で荷重を開始した.術後4カ月のCT検査で距腿関節の骨癒合を認め,疼痛なく歩行は可能となり,日常生活も特に問題なかった.外側腓骨骨切りアプローチは,大きな視野を獲得でき,距腿関節や距踵関節の状態を確認できる.反転した上腕骨近位端用プレートに関しては,形状的にも外側に設置しやすく,距腿関節と距踵関節の同時固定が可能である.同術式は,骨質が極めて不良な距骨壊死の症例に対して選択しうる治療法の一つと考えた.</p>

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