腰臍テスト:内臓脂肪型肥満に対する新しいスクリーニング法

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  • "Koshi-heso" (waist-umbilicus) test: A novel screening method for visceral fatty obesity

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抄録

<p>目的:高齢糖尿病患者を対象とし,内臓脂肪型肥満に対する腰臍テストのスクリーニング性能,及び妥当性を検討すること.方法:対象は当科外来受診中の65歳以上の糖尿病患者とした.腰臍テストとして,患者自身の指で臍と腸骨稜上縁(腰)との距離を測定した.人差し指が臍に届き,かつ指と腹壁に隙間がある場合をSmaller,人差し指が臍に届き,かつ指と腹壁に隙間がない場合をJust-fit,人差し指が臍に届かない場合をBiggerとした.内臓脂肪型肥満の評価には腹囲を用い,カットオフ値は男性85 cm以上,女性90 cm以上とした.また多周波生体電気インピーダンス法により内臓脂肪量及び体脂肪率を評価した.内臓脂肪型肥満に対する腰臍テストの感度,特異度を算出した.妥当性の評価として,腰臍テストと内臓脂肪量及び体脂肪率とのPearsonの相関係数を算出した.さらに,腰臍テストと血管疾患リスク因子,細小血管合併症,及び心血管疾患との関連性をロジスティック解析にて評価した.結果:221例が本研究の解析対象集団として組み入れられた.男性におけるJust-fit(感度0.96,特異度0.62),及び女性におけるBigger(感度0.76,特異度0.78)をカットオフとした際が最適であった.さらに腰臍テストは腹部内臓脂肪量及び体脂肪率と有意に相関があり,血管疾患リスク因子や細小血管合併症との関連性も認められた.結論:腰臍テストは高齢糖尿病患者における内臓脂肪型肥満に対するスクリーニング法として使用できると考えられた.</p>

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