起立・歩行練習のコンプライアンスが著しく低下していた認知症患者に対する介入

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  • キリツ ・ ホコウ レンシュウ ノ コンプライアンス ガ イチジルシク テイカ シテ イタ ニンチショウ カンジャ ニ タイスル カイニュウ

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抄録

本研究では立ち上がり,歩行についての行動レパートリーは有しているが,それらの練習行動が定着しない認知症患者を対象として,行動分析学的な介入を実施した.対象者は80代,女性.診断名は頸髄(C3-6)不全損傷で,認知症を合併していた.自発性,発動性の低下が見られ,とくに起立・歩行練習において拒否が見られていた.練習拒否の原因として「寒さ」,「上肢痛」が嫌悪刺激として機能している可能性が考えられた.これに対し「電気ストーブ」による「暖かさ」の提供と,「痛みの増強」を回避するためにマッサージを導入した.また,起立・歩行練習量を測定し,グラフ化してフィードバックした. 結果,介入後には起立,歩行量ともに著明に増加し,ベッドと車いす間の移乗など他の移動動作能力も改善した.以上のことから,今回の介入は,有効に機能したものと考えられた.

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