長期維持透析患者に発症したG群溶連菌による多発膿瘍の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of multiple abscesses caused by group G <i>Streptococcus</i> in a long-term dialysis patient
  • チョウキ イジ トウセキ カンジャ ニ ハッショウ シタ Gグン ヨウレンキン ニ ヨル タハツ ノウヨウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>症例は75歳男性.41歳から34年間の長期にわたり維持血液透析をうけていた.X年10月,持続する原因不明の発熱のため当院へ入院となった.精査の結果,発熱はβ溶血性G群連鎖球菌による化膿性膝関節炎が原因と考えられた.入院後に抗生剤投与や外科的治療を行ったが,化膿性関節炎は複数の関節に拡大し,最終的に敗血症のため死亡した.病理解剖の結果,骨・関節に透析アミロイドの沈着を認め,その近傍の膿瘍形成が明らかとなった.透析患者では,重症な合併症として感染症が高頻度にみられ,高齢化に伴いますます増加してゆくことが懸念される.今回報告した症例のように長期透析患者に,一見病巣が明らかでない発熱や高CRP血症を認めた際には,軟部組織,とりわけ関節などへの感染症を念頭におく必要がある.</p>

収録刊行物

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ