雨滴データを活用した樹冠内の雨水通過経路の推定

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タイトル別名
  • Estimation of rainwater canopy flow paths using raindrop data

抄録

<p>降雨の樹冠遮断プロセスは、樹冠内での雨水の貯留・滞留・移動・蒸発・排水という雨水動態によって決まるが、その直接測定は困難であり実態が不明瞭である。樹冠内の雨水通過経路を雨滴データから推定することを目的に、着葉状況の異なる時期にアメリカブナ(Fagus grandifolia Ehrh.)とコナラ(Quercus serrata Murray)の林内外で雨滴の同時測定を行い、樹冠通過雨の雨滴粒径分布を解析した。雨滴は、自作のレーザー雨滴計(ディスドロメータ)で測定した。雨滴粒径データを用いて、樹冠通過雨を直達雨・飛沫雨・滴下雨に分け、さらに滴下雨を雨滴粒径でクラス分けをした。直径5.5mm未満の小さな滴下雨滴は降雨イベントの早い段階で発生し、着葉期に支配的であった。一方で、直径5.5mm以上の大きな滴下雨滴の発生にはより多くの降雨が必要であり、葉の有無にかかわらず発生していた。これらのことから、小さな滴下雨滴は葉面から短時間で生成され、大きな滴下雨滴は木質表面で時間をかけて生成されることが示唆された。これらの結果をもとに、樹冠おける葉と枝の流路の発生と発達に関する概念を提案した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975031552
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_174
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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