シデコブシにおける遺伝的多様性、集団遺伝構造および歴史的な集団動態

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タイトル別名
  • Genetic diversity, population genetic structure, and historical demography in <i>Magnolia stellata</i>

抄録

<p>シデコブシは東海地方に分布する固有種であり、自生地である湿地の開発や遷移の進行により絶滅が危惧されている。これまでに、シデコブシの保全を目的としてアロザイムやSSRを用いた集団遺伝学的研究が行われている。アロザイムやSSRでは座数が限られるため遺伝的多様性や集団遺伝構造の評価に不十分な場合がある。一方、SNPでは多数の座が扱えるためゲノムワイドな評価により詳細な遺伝情報が得られる可能性がある。そこで、本研究では、多数のSNPを用いて、シデコブシにおける遺伝的多様性、集団遺伝構造、近縁種コブシとの遺伝的関係および歴史的な集団動態を調べた。その結果、先行研究と同様に、三重県北部の一部の集団は孤立しているにも関わらず高い遺伝的多様性を保有することが明らかになった。また、3つの分布域に対応して明瞭に分けられる集団遺伝構造が初めて明らかになった。近縁種コブシとの遺伝的関係や歴史的な集団動態の解析では、三重県北部の集団が最も祖先的であり、シデコブシの起源は三重県北部にあることが示唆された。したがって、三重県北部の集団をより優先的に保全していく必要があると考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975040896
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_144
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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