間伐はスギの蒸散活動や樹液流動特性にどのような影響を与えるのか?

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • How does thinning affect transpiration activity and sap flow characteristics of Japanese cedar?

抄録

<p>京都議定書を受けて、森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法が制定され、間伐が促進されてきた。間伐に伴い森林の蒸散量は減少することが報告されており、水循環への影響を定量的に把握する必要がある。しかし、これまでに国内で報告された事例では、間伐直前および直後に実施された樹液流測定結果によるものがほとんどであった。また、間伐によって変化した林冠部の光環境が樹液流動特性に与える影響については未解明な部分が多い。そこで本研究では秋田県大館市の長坂試験地スギ林分を対象として本数率40%の間伐を実施し、間伐前2年間、間伐後3年間に渡り樹液流測定による林分蒸散量の評価を行った。間伐前と比較して、間伐直後の蒸散量は約70%に減少したが、間伐後2年目は約97%、3年目は約104%となり、間伐から数年間で蒸散量は元の水準まで回復する傾向が得られた。樹皮直下の浅い辺材部(深度0-20mm)の樹液流は間伐直後に増加した後、横ばいとなったが、深い辺材部(深度20-40mm)の樹液流は間伐直後にはほとんど変化を示さず、2年目および3年目に著しい増加を示した。このことは、間伐による樹冠部の光環境の変化との関連性を示唆するものである。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975061248
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_172
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ