木曽ヒノキ伐採株の年代推定とその状態

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タイトル別名
  • Age estimation of Kiso cypress felling stocks and its condition.

抄録

<p>木曽地域のヒノキ天然生林は江戸時代の伐採を契機に一斉更新して成立したと考えられている。この林分がかつてはどのような森林であったのかを明らかにするための足がかりとして、残されたヒノキの伐根から生育年代の推定を行っている。残存する伐根の状態は、原型を留めていなもの、原型を留めているもの、更新したヒノキに抱きかかえられているものなど様々である。生育年代は伐根から読み取れる年輪数と採取した材片から充分な数の年輪毎の酸素同位体比に拠る絶対年代推定で行っている。前報告では現林分の林冠を構成するヒノキに抱えられるように残存する古い伐根の読み取り可能部分を西暦678-1106年と推定した。今回は剥き出しのまま原型をほぼ留めている伐根の解析を行った。この株は伐採高が約100cm、伐採高の直径は約80cmであった。サンプルを採取しながら観察する過程でこの株では芯が確認され、60年輪分の酸素同位体比からその中心部の年代は西暦1034年と推定された。この2つの株の生育年代から江戸時代の伐採以前の林分は幅広い年代の樹齢で構成されていたことが想像される。今後、サンプル数を増やし、人手の加わる以前の林分構造をより明らかにしていきたい。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975134976
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_308
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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