防獣ネット柵のめくり上げ侵入を防ぐ、地際部ワイヤー緊張による対策
書誌事項
- タイトル別名
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- Preventing animals from tearing up the protective net fence and entering by wire tensioning at the ground edge
説明
<p>収穫期を迎えた人工林の主伐・再造林を進める上で、植栽木に加害するニホンジカやカモシカ、ノウサギの存在が大きな障害となっている。対策として造林地周囲に設置される防獣ネット柵は、杭を打ち込みネットを地面に固定しているが、杭が抜けやすい土壌であったり、イノシシ等がネットと共にめくり上げて杭を引き抜いてしまったり、岩などで杭が打ち込めなかったりした箇所から加害種に侵入されてしまうことがある。 </p><p>そこで、杭の代わりに地際部分にワイヤーを緊張させることで動物のめくり上げ侵入を抑止できないか強度試験を行い、有望な結果が得られた。ワイヤー緊張荷重10kgfでのネット柵支柱間(3m)中央での引き上がり量は、引き上げ荷重70kgfでも30cm未満であった。引き上がり量と比べてイノシシの体サイズは大きく、地際部ワイヤー緊張による対策は、イノシシの侵入を抑止することが期待できた。</p><p>今回の試験は、動物によるワイヤーへの攻撃をとても単純化したものであり、これだけで動物によるめくり上げ侵入の可否を判断することは難しい。今後、このワイヤーを張る方法で実際に防獣ネット柵を造林地周囲に設置し、検証を進める。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 297-, 2023-05-30
一般社団法人日本森林学会