SSRマーカーによるキハダの系統地理学的解析

DOI
  • 稲永 路子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 武津 英太郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 平尾 知士
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 織部 雄一朗
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 磯田 圭哉
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場
  • 山田 浩雄
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター

書誌事項

タイトル別名
  • Phylogeographic analysis of <i>Phellodendron amurense</i> using SSR markers

抄録

<p>キハダは北海道から九州に広く分布する落葉高木で、生薬の原料となる薬用樹木の一つであり、比較的成長が早いため木材としての利用にも期待が持たれている。本研究ではキハダの系統地理的遺伝構造をSSRマーカー7座によって評価した。全国から収集された220個体および日韓技術交流によって入手した韓国由来の10個体を解析した。遺伝距離Daを使用した近隣結合法による系統樹では、北海道・東北・新潟・長野北部、北陸・中国地方、本州太平洋側・四国・九州・韓国がそれぞれ比較的まとまったクレードを形成した。STRUCTURE解析では最適クラスター数K=2となり、北海道・東北・新潟・長野北部ではクラスター1、本州太平洋側・四国・九州・韓国ではクラスター2の個体が優勢であった。一方、北陸・中国地方では両クラスターの個体が混在し、割合が中間的な個体がみられた。以上の結果から、1)大陸北部と朝鮮半島から日本列島に移入した2系統が異なる経路で分布拡大した可能性、2)1つの経路で日本へ移入した後、積雪や気温など日本海側と太平洋側の環境勾配に適応した結果、2系統に分化した可能性が考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975205248
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_377
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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