薬用樹木カギカズラの組織培養によるクローン苗増産技術の開発
書誌事項
- タイトル別名
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- Development of clonal propagation system by tissue culture of the medicine tree <i>Uncaria rhynchophylla</i>
説明
<p>カギカズラはアカネ科のつる性木本植物で、日本では千葉県以西に自生しており、枝は釣藤鈎(チョウトウコウ)と呼ばれる生薬として、ストレス・高血圧随伴症状・認知症周辺症状に緩和効果のある漢方薬に利用されている。釣藤鈎の国内消費量は年々増加傾向にあるが、現在では中国からの輸入に全て依存していることから、国内での安定供給体制の確立が必要である。そこで本研究では、カギカズラの国内栽培による自給率の向上を目指し、組織培養による苗木大量生産技術の開発を行った。これまでに日本各地から収集・保存している無菌植物体を供試材料とし、1節ごとに切り分けた外植体のシュート誘導条件について検討した結果、サイトカイニン添加培地でのシュート誘導率は100%であり、培養1ヶ月での増殖効率は平均約7倍であった。さらに得られたシュートについて、オーキシンを添加した発根培地へ移植することで、100%の効率で発根した。また、発根培養時の通気性を向上させることで100%の得苗率で順化できることも明らかとなった。なお、本研究は農研機構生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」の支援を受けて実施した。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 397-, 2023-05-30
一般社団法人日本森林学会