軽井沢のカラマツ林風倒跡地に成立した二次林における埋土種子相の季節変化

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タイトル別名
  • Seasonal change of buried seeds in secondary forest in Karuizawa

抄録

<p> カラマツ人工林の風倒跡地で、無植生の状態から二次遷移の過程を記録した。倒木の搬出時に地下部も攪乱を受けたため、萌芽による植生回復は期待できず、土壌表層に移動した埋土種子と周辺からの散布種子によって二次遷移が進行していくと考えられた。</p><p> 初年度に105種におよぶ植物が出現したこと、遷移の速度が速かったことから、攪乱以前から蓄積されていた埋土種子が二次遷移の進行に深く関与していると考えられた。埋土種子の動態を明らかにするため、3月(発芽前)、7月(発芽可能な種子の発芽後)、10月(盛夏から初秋に散布された種子が加わった後)、12月(晩秋に散布された種子が加わった後)の4回、直接顕鏡法によって埋土種子相を調べ、比較した。</p><p> 埋土種子数は春が最大、夏が最小で、新たに散布された種子が加わる秋から翌春にかけて再び増加した。どの季節のサンプルからも検出されたタラノキ、ヤマグワ、ヌルデ、メドハギ、ナワシロイチゴ、アカマツは、いくつかの条件が整わなければ休眠が解除されない種子を含んでいると考えられる。これらは少なくとも数年間埋土種子として生存し、攪乱による環境変化をとらえたものが出現したと推察される。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975237760
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_450
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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