微弱光環境に生育する植物の光獲得戦略

書誌事項

タイトル別名
  • Optimization of light harvesting in plants growing under weak light conditions

説明

<p>林床に生育する植物は、日なたの数百分の1の弱光から、太陽光の直達光のような強光に至るまで、広い範囲の光強度の変化にさらされる。植物にとって光は、光合成のエネルギー源として必要である一方で、過剰な光は有害となる。そこで植物は、周囲の光環境の変化を感知し、様々な光応答を駆動することで生育光環境に適応している。植物の光応答の一つに、葉緑体運動がある。葉緑体運動とは、葉緑体が光強度依存的に細胞内の配置を変えることで、光の吸収量を調節する応答である。モデル植物の変異株を用いた解析により、葉緑体運動は植物の生育において重要な役割を担うことが明らかとなっている。その一方で、実際の野外で育つ植物の生長解析では、葉緑体運動の寄与はほとんど考慮されてこなかった。そこで発表者らは、日本広域の林床に生育する植物の葉緑体運動と葉緑体の細胞内配置を網羅的に調べた。その結果、微弱光環境に生育する植物は、葉緑体運動をほとんど示さない一方で、柵状組織細胞の形状が光の獲得に最適な形を示すことを発見した。本発表では、柵状組織細胞の形状変化に関する生態生理学的意義とその分子機構について最新の知見を紹介したい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975269376
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_44
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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