ブナ稚樹の個体群動態と林冠状態、地形状況、および種内競争の関係

書誌事項

タイトル別名
  • Relationships of population dynamics of beech saplings with canopy, topography and intraspecific competitions

説明

<p>林冠層の展葉フェノロジーの違いから生じるフェノロジカルギャップ下でブナ稚樹の集中分布が知られているが、複合的な環境下におけるフェノロジカルギャップの影響を評価する試みは立遅れている。本研究は、鳥取県大山隠岐国立公園内のブナ老齢林に2011年に設置した0.3ha(50m×60m)の調査区において、ブナ稚樹(胸高直径<5cmかつ樹高≧30cm)の毎木調査と林冠状態調査を実施した。2022年における小稚樹(樹高≦200cm)と大稚樹(樹高>200cm)の幹密度は、1970本/haと777本/haであった。小稚樹は同種林冠木密度の高い場所に多く、大稚樹はミズメやイタヤカエデ等の異種林冠木密度が高い場所に多かった。2011年以降の毎木調査を加味した解析の結果、稚樹個体群への新規加入は同種林冠木密度が高い場所で多く、稚樹の生残率は樹高の高い個体や緩傾斜地に生育する個体で高かった。さらに、異種樹冠被度が高い林冠下では、周囲に自身よりも比高の高いブナ稚樹の個体数が少ない状況下でのみ稚樹の生残率は高かった。本報告では、調査区内のフェノロジカルギャップの出現可能性を検討し、ブナ稚樹がフェノロジカルギャップから受ける影響の程度を稚樹の種内競争関係から議論する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975270784
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_451
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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